ロシア象徴派
ちょっとしたきっかけで、二葉亭四迷の全集を買ってしまった。新書版で二段組、全九巻という、省スペースのもの。まだ目次をぱらぱら見た程度だが、じつにおもしろそうな作品が並んでいる。こういうものに今まで注意してこなかったのは迂闊だった。さて、目…
象徴主義といえば、詩や絵画が中心で、小説はあまりぱっとしないようだ。象徴主義小説というので、なんとなく人々が思い出すのは、ロダンバックの『死都ブリュージュ』くらいではないか。有名なユイスマンスの『さかしま』は、象徴派を広く一般に知らしめた…