雑記
パイプ、手巻きと進んできたら、次に手を出すべきは葉巻(シガー)だ。これまではその見た目や価格からあまり惹かれることのなかった葉巻だが、やはり喫煙者としてはこれも押さえておく必要があるだろう。というわけで、フィリピン産のエクスプローラーと、…
今回喫煙を再開してみて気づいたのは、公の場所で煙草を吸えるところがほとんどなくなっていることだ。6年前はこうではなかった。分煙は進んでいたけれどもまだまだ煙草を吸える場所はあった。それが今では……私の場合、落ち着いて煙草を吸える場所といえば車…
最近ちょっとしたことから5年間の禁煙を打ち切って喫煙者に復帰した。といっても、シガレットに戻るつもりはなく、パイプと手巻き限定だが。シガレットは、よくいわれているように添加物満載で、これが重度の依存症を齎すようなのだ。それは私も身に沁みて知…
最近本格的にパイプ喫煙を復活させてみたが、なるほどこれは老人ならではの趣味だな、と思った。というのも、まずパイプというのは若い者には絵的に似合わない。それにパイプ喫煙特有のゆるさは、若者の求めるガツンとくる刺戟からは程遠い。またコレクショ…
大岡昇平によれば、山口昌男が1975年に「朝日新聞」に出した小文が、ルイーズ・ブルックス復興の「戦後の第一声」である。その小文はのちに「スクリーンの中の文化英雄たち」という本に、「女性──この『存在論的他者』」という題のもとに収められた。この小…
ちょっとしたきっかけで、二葉亭四迷の全集を買ってしまった。新書版で二段組、全九巻という、省スペースのもの。まだ目次をぱらぱら見た程度だが、じつにおもしろそうな作品が並んでいる。こういうものに今まで注意してこなかったのは迂闊だった。さて、目…
楳図先生と象徴派とどう関係があるか。たぶん先生は象徴派なんてものにはまるきり関心がないか、あったとしても自分が象徴派であるとはまさか思ってはおられまい。私も先生の作品を象徴主義的な面から眺めようとしているわけではない。ただ、ここでひとつ書…
武者小路実篤の『お目出たき人』を読んでいたら、ドイツの画家の名前がいくつか出てきた。Ludwig von Hofmann Max Klinger Otto Greiner Fidusかれらはいずれもドイツ象徴派に属するらしい。私はこれまでドイツの象徴主義についてはあまり考えたことがなかっ…
象徴詩の世界をひとつの都市に見立てた場合、私の現在いる場所は、その中心からだいぶ離れたとある十字路だ。そこから東を見ると、リヒャルト・デーメルがいる。西を見ると、シャルル・ヴァン・レルベルグがいる。南には大手拓次がいる。北には日夏耿之介が…
私が象徴主義をおもしろく思うのは、それがフランス国内にとどまらずにあちこち伝播した点にある。前にちょっとふれたロシアはいわずもがな、われわれの住む極東の島国にまで、何人かのすぐれた紹介者をまって、この運動は伝わってきた。そして、この地にた…
象徴派、象徴主義というのは、私の人生における重大事件であって、これなくしては、ほとんどアイデンティティそのものが揺らいでしまうのだが、他の人にはなかなか分ってもらえないだろう。といっても、ここで「象徴主義とは何か」というような、大上段にか…