象徴派の周囲

象徴派に関する雑記、メモ、翻訳、引用など

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

象徴派のおもしろさ

私が象徴主義をおもしろく思うのは、それがフランス国内にとどまらずにあちこち伝播した点にある。前にちょっとふれたロシアはいわずもがな、われわれの住む極東の島国にまで、何人かのすぐれた紹介者をまって、この運動は伝わってきた。そして、この地にた…

象徴について

私は象徴派が好きなので、象徴という言葉にまでなにやら特別な意味合いをもたせたがる傾向があるが、象徴(シンボル)をその語源であるギリシャ語のシュンボロンにまで遡って考えてみると、これはいわゆる「割符」であって、神秘的なものでもなんでもないこ…

『六人集と毒の園』再読

象徴主義といえば、詩や絵画が中心で、小説はあまりぱっとしないようだ。象徴主義小説というので、なんとなく人々が思い出すのは、ロダンバックの『死都ブリュージュ』くらいではないか。有名なユイスマンスの『さかしま』は、象徴派を広く一般に知らしめた…