象徴派の周囲

象徴派に関する雑記、メモ、翻訳、引用など

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

素木しづ子と象徴主義小説

筑摩の古い全集本で「大正小説集」というのを読んでいて、ちょっと引っかかったのが素木しづ子という女流作家だ。いっときは樋口一葉の再来とまでいわれたらしいが、24歳で夭折した。「大正小説集」に収められているのは「三十三の死」という作品で、そこに…

二葉亭四迷と象徴主義

ちょっとしたきっかけで、二葉亭四迷の全集を買ってしまった。新書版で二段組、全九巻という、省スペースのもの。まだ目次をぱらぱら見た程度だが、じつにおもしろそうな作品が並んでいる。こういうものに今まで注意してこなかったのは迂闊だった。さて、目…

中原中也訳『ランボオ詩集』

ランボー、ランボー、 アル中のランボー、 へんてこな やつ。こんな替え歌(?)を作って喜んでいた子供のころの私よ……ともあれ、小林秀雄のランボーは私を驚倒させた。私も小林とともに、ランボーという「事件」の渦中にしばらくいた。しかしその波は来たと…